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ひとり親が利用できる制度18選!支援の窓口を通じて活用しよう

bbachiland@hirapa2023

シングルマザーの2020年の平均年収は272万円と、シングルファーザーの平均年収518万円の半分程度にとどまっています(厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」)。

さらに、働くシングルマザーの40%近くを占めるパート従業員やアルバイト労働者の平均就労年収は約150万円と、子どもの養育に十分とはとても言えない状況です。

女性は結婚や出産を機に家事・育児の時間を確保するため、仕事をやめたり非正規労働者になったりすることが多いためだと考えられます。

これに対してさまざまな公的支援制度が国や自治体によって用意されていますが、あまり知られているとはいえません。

国は制度の周知を進めていく方針ですが、現状ではひとり親の方が進んで制度を知り自治体に相談する必要があります。

そこで、この記事では以下の3点について解説します。

この記事を読んでわかること
  • ひとり親支援に対する国のスタンス
  • ひとり親支援の公的相談窓口
  • ひとり親への公的支援制度、その他利用できる制度

ひとり親への公的支援には保育サービス提供や子どもの学習支援などもありますが、今回紹介するのは、おもに家計を改善する制度です。ぜひご活用ください。

ひとり親支援に対する国のスタンス|制度が知られていないことが問題

「こども家庭庁」の創設からもわかるように、政府は子どもの福祉の増進に本格的に力を入れています。そのなかでは、ひとり親家庭の支援も重要な課題です。

国によるひとり親家庭の自立支援策は、以下の「4本柱」から成っています。

  • 子育て・生活支援……相談支援、ヘルパー派遣、子どもの学習支援など
  • 就業支援……ハローワークとの連携、給付金の支給など
  • 養育費確保支援……養育費相談など
  • 経済的支援……児童扶養手当の支給、福祉資金の貸付など

国は、自治体の窓口が統一されていないことや制度活用のハードルが高いことを問題視し、ひとり親家庭が容易に制度にたどりつけるようにするため、以下のような仕組みの構築を模索しています。

  • ワンストップ相談……1ヵ所に相談すれば、必要な支援に到達できる体制
  • プッシュ型支援……必要な情報が必要なタイミングで案内され、受動的にサービスの提供を受けることができる体制

参考:こども家庭庁 ひとり親家庭等関係

ひとり親支援の主体は自治体

ひとり親家庭支援の法的根拠の中核は「母子及び父子並びに寡婦福祉法」です。同法に基づいて国が基本方針を定め、都道府県などがそれに沿って施策の方針や具体的な手段を「自立促進計画」に定めます。

ひとり親支援事業の実施主体は都道府県や市町村です。このため支援策には、自治体独自の制度や、自治体によって内容が異なる制度も多く見られます。

このため、お住まいの自治体のひとり親支援制度について詳しく知りたい場合は、自治体のホームページを見るか窓口に問い合わせると確実です。

なお、この法律でいう「寡婦」とは、かつて配偶者がいない状況で子どもを扶養しており現在も婚姻していない女性のことです。子どもを養育していたため十分な収入が得られていない場合などに福祉の対象となります。

ひとり親支援の公的相談窓口

「相談のワンストップ化」はこれからの課題ですが、実は現状でも、ひとり親支援のために創設された相談窓口が2つあります。

ここでは、その2つの制度「母子・父子自立支援員」と「母子家庭等就業・自立支援センター」の概要と利用方法について解説します。比較して、ご自身に合った先を活用してください。

なお、これらの利用は進んでいません。
困った時の相談相手として母子・父子自立支援員や福祉団体、公的機関を選んだひとり親は「相談相手がいる」とする母子世帯のうちの1.9%、父子世帯の2.8%にとどまっています(厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」)。

母子・父子自立支援員

母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づき「母子・父子自立支援員」が福祉事務所などに配置されています。

支援員はひとり親家庭や寡婦に対し、生活全般や、後述の「母子父子寡婦福祉資金」について相談・指導を行います。

支援員が配置される「福祉事務所」は、社会福祉法に基づいて自治体に設置が義務付けられている社会福祉全般の窓口です(町村に関しては任意)。

自治体のホームページでは、福祉事務所が生活保護の相談窓口として紹介されているケースも多く見られます。わかりにくい場合は市区町村役場の福祉担当部署に問い合わせてみましょう。

なお、福祉事務所と混同されやすい機関に社会福祉協議会があります。
社会福祉協議会は行政機関ではなく、民間の非営利団体です。

社会福祉協議会は社会福祉法で「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」と位置付けられていますが、ひとり親支援に特化した事業を行っているわけではありません。

母子家庭等就業・自立支援センター

2003年に国によって創設され、自治体が取り組んでいる事業です。
相談から技能講習、情報提供などの一貫した就業支援や、養育費相談を実施しています。

こども家庭庁「ひとり親家庭等の支援について」によると、2021年度における自治体での実施率は89.1%です。

父子も利用できるため、「母子」ではなく「ひとり親」を事業名称に使っている自治体もあります。

なお、ほとんどの都道府県では、一般財団法人「全国母子寡婦福祉団体協議会」に所属する母子福祉団体に事業を委託しています。
その福祉団体は多くの場合「母子寡婦福祉連合会」という名称を用いているようです。

下記事業実施先一覧で相談先を確認できます。

母子家庭等就業・自立支援センター事業実施先一覧(2022年11月25日現在)

期限がある制度には早めの対応を

ここからは制度について解説します。

まず養育費、財産分与と年金です。
これらは離別・死別から一定期間が経過すると権利を主張できなくなるため、期限を意識した対応が必要です。

養育費

離婚によって親権者でなくなった場合も、親として養育費の支払い義務を負います。

養育費には、原則5年という請求期限があります。例外として調停・審判などによって過去の未払い分について取り決めた場合は10年です。
そのため、養育費については離婚時に取り決めておくことが理想です。

養育費は国が掲げる「支援4本柱」の一つでもあり「母子及び父子並びに寡婦福祉法」に支払い義務が明記されています。また、2012年施行の改正民法においても養育費の取り決めが明確化されました。

それにもかかわらず、養育費について取り決めをしていない母子世帯は51.2%、養育費を受けたことがない母子世帯は56.9%にも上っています(厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」)。

養育費の相談窓口は、こども家庭庁の委託事業として公益社団法人家庭問題情報センターにも開設されています。

養育費等相談支援センター

財産分与

夫婦になってから築いた資産は財産の名義にかかわらず共有財産とみなされ、離婚の際に当事者の一方は相手方に対して財産分与の請求が可能です(民法第762条、768条)。

離婚後2年を過ぎると、相手が任意に応じてくれない限り請求できなくなるため、離婚時に済ませておくほうがよいでしょう。

遺族年金・年金分割

家計を支えていた人が亡くなってひとり親になった場合、遺族年金を受け取ることができます。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。

受け取りには、故人が国民年金または厚生年金保険の被保険者として保険料納付済み期間などの条件を満たしていることが必要です。

遺族年金に限らず、年金は年金事務所へ請求することによって受給可能となります。年金を受ける権利は原則として5年で消滅するため、忘れないうちに手続きしましょう。

また、婚姻期間中の厚生年金記録がある場合、離婚時に当事者の双方または一方からの請求により年金記録を分割する「年金分割」の制度があります。

婚姻期間中に納めた保険料は夫婦が共同で納めたものであるとして、将来の年金受給額を再計算する制度です。請求期限は離婚後2年となっています。

年金に関する問い合わせ先は、年金事務所です。

日本年金機構「年金事務所等の検索」

ひとり親の収入を増やす6つの手当・給付金

続いて、ひとり親が利用できる給付金を紹介します。

東京都の「児童育成手当」など、自治体独自の給付金制度もあるため、詳しくはお住まいの自治体へ問い合わせてください。

1.児童扶養手当

児童扶養手当は、18歳の誕生日後の最初の3月31日までの児童または20歳未満の障害児を監護するひとり親などを対象に支給される手当です。

所得制限内で、全部支給、または所得に応じて段階的に一部支給されます。

児童扶養手当における「所得」とは、収入から給与所得控除などを差し引き、養育費の8割を加えた額のことです。元配偶者から養育費を受けている場合に所得が増加する点には注意が必要です。

児童扶養手当の所得制限は他の制度でも基準とされることが多いため、一例として、母と子ども1人~3人の母子世帯の場合を下表に記しておきます(2023年9月1日現在)。

カッコ内は、併せて厚生労働省から提示されている「収入ベースの目安」とされる金額です。

児童扶養手当の所得制限限度額(抜粋 2018年8月1日以降)
子どもの数全部支給の所得制限限度額
および(収入額目安)
一部支給の所得制限限度額
および(収入額目安)
1人87万円(160万円)230万円(365万円)
2人125万円(215.7万円)268万円(412.5万円)
3人163万円(270万円)306万円(460万円)

この表は、母1人・子ども1人の場合、所得が87万円未満で全部支給の対象となり、所得が87万円以上230万円未満で一部支給の対象となる、というように見ます。

基本となる手当額は物価動向に応じて改定され、実施主体である自治体に国から通知されます。2023年4月以降の手当月額は下表のとおりです。

手当月額全部支給一部支給
児童1人の場合44,140円44,130~10,410円
児童2人目の加算額10,420円10,410~5,210円
児童3人目以降1人につき加算される額6,250円6,240円~3,130円

児童扶養手当を受給するためには、自治体あてに認定請求が必要です。過去にさかのぼって支給されることはないため、請求すべき事情が生じたらすぐに手続きしましょう。

また、受給を継続するには毎年自宅へ郵送されてくる現況届に記入し、必要書類を添えて提出する必要があります。

2.ひとり親家庭住宅手当

自治体独自の制度で、名称もさまざまです。手当の支給や家賃補助でなく、公営住宅への優先入居などの形で支援している自治体も見られます。

対象をひとり親に限定しない助成金もあるため、幅広く問い合わせましょう。
住宅支援を実施している自治体の制度を、例としていくつか挙げておきます。

東京都千代田区:居住安定支援家賃助成(高齢者世帯・障害者世帯も対象)
東京都東久留米市:ひとり親家庭住宅手当
神奈川県厚木市:母子家庭等家賃助成
京都府京都市:ひとり親家庭の市営住宅優先入居
兵庫県神戸市:ひとり親世帯の家賃補助制度

3.児童手当

児童手当の支給対象は15歳の誕生日後の最初の3月31日までの児童を養育している人で、ひとり親に限定されません。
新しい少子化対策の一つとして、児童手当は2024年度に制度の拡充が計画されています。

2023年度における毎月の支給額は、下表のとおりです。

児童の年齢1人あたり手当(月額)
3歳未満一律 15,000円
3歳~小学校修了まで第1子・第2子 10,000円
第3子以降 15,000円
中学生一律 10,000円

受給には扶養する人数に応じた所得制限があります。しかし、制限以上の所得であっても「所得上限限度額」未満の場合は特例として月額一律5,000円が支給されます。

なお、ここでの「第3子」とは「18歳の誕生日後の最初の3月31日までの児童」の3番目という意味であることに注意が必要です。例えば3人の子どもの年齢が19歳・16歳・11歳であるとき、11歳の子は第2子となります。

実施主体は市区町村ですが、公務員の場合は勤務先から支給されます。

公務員以外は、子どもが誕生したときや他所から転入したときに現住所の市区町村への認定申請が必要です。公務員の場合は、勤務する官署に変更があったときなどに現住所の市区町村と勤務先に認定申請します。

4.障害児福祉手当

在宅で、精神または身体に重度障害があるため常時介護を要する20歳未満の人を対象に支給され、支給月額は15,220円です(2023年4月適用)。

以下の場合には支給されません。

  • 受給資格者である重度障害児や生計維持者の前年所得が一定額以上である
  • 受給資格者が施設に入所している
  • 受給資格者が障害を事由とする年金を受給している

支給の手続きは、住所地の市区町村で行います。

5.特別児童扶養手当

支給対象は、20歳未満で精神または身体に障害のある児童を家庭で監護・養育している父母などで、ひとり親に限られません。

受給資格者(障害児の父母など)またはその配偶者や生計を同じくする扶養義務者の前年所得が一定額以上である場合は手当の支給対象外となります。
障害児福祉手当とは併給可能です。

支給月額は障害等級により、1級53,700円、2級35,760円です(2023年4月適用)。
手続きは住所地の市区町村で行います。

6.生活保護

生活保護は、資産額と総収入が「最低生活費」を下回っている世帯が対象です。
支給金額は住む地域によって異なります。

以下の対応をとっても収入が最低生活費に満たない場合にしか受給できません。

  • お金になる資産を売却する
  • 働けるなら働く
  • 親族などから援助を受けられる場合は受ける

ひとり親世帯の場合は生活保護費に「母子加算」(父子にも適用)が、18歳までの子どもについては「児童養育加算」が付きます。

生活保護の申請先は地域の福祉事務所、福祉事務所を設置していない町村においては町村役場です。

ひとり親の就業を支援する3つの給付金

国と自治体が協力して取り組んでいる就業支援事業について解説します。実施に至っていない自治体もあるため、制度を利用するにあたっては、まずは自治体への問い合わせが必要です。

1.高等職業訓練促進給付金

ひとり親に、就職に有利な資格の取得を促す制度です。資格取得を目指して養成機関で修業している期間について給付金を支給し、生活の負担を軽減します。

給付金の支給対象は、児童扶養手当受給者またはそれと同等の所得水準で、6ヵ月以上養成機関で修業するひとり親です(2023年9月現在/訓練期間は2023年度末までの緩和措置として、1年から6ヵ月に短縮されています)。

対象となる資格は、看護師・准看護師・保育士やデジタル分野の民間資格などで、地域の実情に応じて定めます。

2021年度には給付金が7,774件支給され、2,757人が資格を取得、うち2,092人が就職に結びつけています。

また、この給付金の受給者は「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付」を利用して入学準備金などを借り入れることが可能です。この貸付は、就職や就業継続などの要件を満たせば返済免除となります。

2.ひとり親家庭等自立支援教育訓練給付金

就職に有利な一定の教育訓練を受けて修了した場合、上限金額の範囲内で費用の6割が支給される制度です。

対象となる講座は、雇用保険制度の教育訓練給付の指定教育訓練講座のほか、都道府県などの首長が地域の実情に応じて決定します。

支給対象は、児童扶養手当受給者またはそれと同等の所得水準で、適職に就くために対象講座の受講が必要と認められるひとり親です。

3.ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業

ひとり親家庭の親または児童が高卒認定試験合格のための講座を受けて修了・合格した場合、講座の受講費用の一部を支給します。

支給対象は、家庭が児童扶養手当受給またはそれと同等の所得水準で、適職に就くために認定試験合格が必要と認められる人です。

2015年創設の制度で、2021年度における自治体実施率はいまだ39.3%となっています(こども家庭庁「ひとり親家庭等の支援について」)。

ひとり親が使える3つの公的貸付

ひとり親を対象として設計された2つの制度と、対象をひとり親に限定しない「生活福祉資金貸付制度」を紹介します。

東京都の「女性福祉資金貸付」や、各地にみられる「たすけあい資金貸付」のような自治体独自の制度もあります。詳しくは自治体窓口で確認しましょう。

1.ひとり親住宅支援資金貸付

ひとり親の住宅支援として、家賃実費(上限4万円)を最長12ヵ月間、無利子で貸し付ける制度です。

対象者は、児童扶養手当受給者か同等の所得水準で「母子・父子自立支援プログラム」の策定を受けているひとり親です。

1年以内にプログラムの目標に合致する就職をして、1年間就労を継続した場合などに返済が免除されます。

なお、母子・父子自立支援プログラムとは、福祉事務所などに配置された担当者が個々の事情に応じて策定する、支援メニューを組み合わせた自立プランです。

2021年度における同プログラムの自治体実施率は67.5%となっています(こども家庭庁「ひとり親家庭等の支援について」)。

2.母子父子寡婦福祉資金貸付金

使途に応じて借入可能金額・償還期間などの異なる12種類の資金が、無利子または低利で借り入れできる制度です。

20歳未満の児童を扶養しているひとり親や寡婦に加えて、資金の性質によっては児童も対象となります。

資金の種類は以下のとおりです。

資金種類内容
事業開始資金事業を開始するために必要な設備などの購入資金
事業継続資金事業継続に必要な運転資金
修学資金児童が高校・大学・大学院などに就学するにあたって必要な資金
技能習得資金事業開始や就職に必要な知識技能習得のための資金
修業資金児童が事業開始や就職に必要な知識技能を習得するための資金
就職支度資金就職するために必要な被服・履物や通勤用車両の購入資金
医療介護資金期間1年以内の医療や介護を受けるための資金
生活資金生活が不安定な期間の生活補給資金
住宅資金住宅の建設・購入、補修や改築などに必要な資金
転宅資金転居するための住宅の貸借に必要な資金
就学支度資金就学・修業するために必要な被服などの購入資金
結婚資金ひとり親が扶養する児童などの婚姻に必要な資金

制度内容は、内閣府男女共同参画局のホームページに整理されています。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

3.生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は「新型コロナウイルス感染症の特例貸付」としても活用されました。この制度の対象は、以下の世帯です。

  • 必要な資金を他から借りることが困難な世帯
  • 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を交付された人がいる世帯
  • 65歳以上の高齢者がいる世帯

この制度は、大きく以下の4種類に分かれています。

  • 総合支援資金
  • 福祉資金
  • 教育支援資金
  • 不動産担保型生活資金

このうち不動産担保型生活資金の対象者は高齢者世帯に限られます。

他の3種類はさまざまな使途の資金を貸し出すほか、生活再建まで一時的に必要な資金などを用立てます。申込先は市区町村の社会福祉協議会です。

資金の種類は下表のとおりです。

資金の種類資金の用途
総合支援資金生活支援費生活再建までの間に必要な生活費用
住宅入居費住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用
一時生活再建費生活再建に一時的に必要な費用
就職・転職を前提とした技能習得の費用
滞納している公共料金などの立て替え金
債務整理のための費用
福祉資金福祉費生業を営むための費用、技能習得、住宅関係費用、
福祉用具などの購入、療養費用、介護サービスなど
を受ける費用、冠婚葬祭費用
その他の一時的に必要な資金 など
緊急小口資金緊急かつ一時的に生計維持が困難となった場合に
貸し付ける少額の費用
教育支援資金教育支援費高校・大学などに修学するための費用
就学支度費高校・大学などの入学に際し必要な費用

支出を減らす3つの制度

自立支援のためのひとり親政策はこれから周知されるでしょう。しかし、ひとり親が支出を抑える制度について知る機会は少ないかもしれません。

ここで紹介する3つの制度をぜひ活用してください。

1.所得控除

2020年から、以下の要件すべてに当てはまる人は所得税に「ひとり親控除」が適用できるようになりました。

  • その年の12月31日時点で婚姻をしていないか、配偶者の生死が明らかでない
  • 事実上婚姻関係と同様の事情にある人がいない
  • 生計を一にする子がいる
  • 合計所得金額が500万円以下である

年末調整(給与所得者の場合)や確定申告を行うことによって、35万円が所得から控除されます。

ひとり親控除と扶養控除は併用できます。また、ひとり親控除の要件である「生計を一にする子」に年齢制限はありません。

ただし、元配偶者から養育費を受け取っている場合は、養育費の支払者と子が生計を一にすると考えられています。

国税については、所轄の税務署から国税局電話相談センターに問い合わせできます。

税についての相談窓口

2.ひとり親家庭等医療費助成制度

ひとり親やその子ども、あるいは両親がいない子どもを養育している人が払う医療費の自己負担分を一部自治体が払う制度です。基本的に、保険診療が適用された医療費について助成されます。

制度の対象となるのは、18歳の誕生日後の最初の3月31日までの子どもです。自治体によっては、20歳未満までの障害がある子も対象となります。

申請先は市区町村の担当窓口です。
所得制限、助成対象などが自治体によって異なりますので、申請時に確認する必要があります。

3.公共料金などの減免

収入が少ない場合、公共料金などを減免する仕組みを利用して支出を減らすことができます。

下表は一例です。
自治体の制度の詳細については、問い合わせてください。

減免対象問い合わせ先
国民年金保険料年金事務所または市区町村の国民年金担当窓口
国民健康保険料(市町村国保)市町村(特別区を含む)の国民健康保険窓口
国民健康保険料(国民健康保険組合)加入する国民健康保険組合または都道府県の窓口
保育料
上下水道料金
公共交通機関運賃
粗大ごみ処理手数料
市区町村

まとめ|ひとり親支援制度を積極的に活用しよう

国は積極的にひとり親を支援する姿勢を明確にしています。国や自治体が制度利用のハードル解消を目標にしている現状で、ひとり親の方が利用を遠慮する必要はまったくありません。

支援制度は多岐にわたり、自治体によって要件が異なる場合も多いため、困ったときは迷わず担当の窓口に相談しましょう。各制度の窓口がわかりにくい場合は、ひとり親支援に特化した相談窓口の利用をおすすめします。

また、自治体がひとり親支援のための「自立促進計画」を策定する際には、ひとり親家庭の方からも意見を募集しています。困っていることを伝えてみれば、問題解決につながるかもしれません。

ABOUT ME
八木満里子
八木満里子
Webライター
Webライター/前職は銀行員
一般社団法人日本金融教育支援機構認定講師

「金融ライタープロ」所属
正確な記述と論理的な流れで、読者にとって読みやすい記事を執筆します。

【保有資格】
FP2級/AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)/証券アナリスト/消費生活アドバイザー
TOEIC930点/知的財産管理技能士3級 
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